1. トップページ   >
  2. トピックス   >
  3. トランス脂肪酸について

トピックス

トランス脂肪酸について

今回は脂肪酸の一つである「トランス脂肪酸」について、日本における最近の動向をまとめてみました。

Ⅰ.トランス脂肪酸とは?!
3大栄養素の中のひとつである脂質は、その他の炭水化物とタンパク質に比べてエネルギー量が大きい栄養素です。(1gあたり9kcal)
その脂質は、構成する脂肪酸の構造の違いにより、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、「トランス脂肪酸」は、不飽和脂肪酸の中の多価不飽和脂肪酸に分類されます。
牛や乳製品、羊などに天然のトランス脂肪酸として含まれているほかに、加工技術によって作られるトランス脂肪酸があり、常温でも半固体、個体の油脂として【マーガリンやファットスプレッド、ショートニング】といった食品にトランス脂肪酸が含まれています。これらの食品は洋菓子や菓子パン、インスタント食品、スナック菓子類、ファーストフードに多く使われています。又、植物油の精製工程で好ましくない臭いを除去するために、高温処理するときに微量のトランス脂肪酸が出来ることがあります。

Ⅱ.トランス脂肪酸の健康被害
特に欧米ではトランス脂肪酸の摂りすぎが心疾患リスクを高めるとして、20年前くらいから社会問題視されるようになりました。
日本人の食生活は、欧米に比較すると脂質の摂取量は少ないとされているため、トランス脂肪酸の健康被害が同じように出ているかは明らかにはされていません。

Ⅲ.日本人の脂質の摂取状況
日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量はエネルギー比0.3%、日本人の大多数がWHO勧告(目標)基準である1%未満です。欧米に比較すると少ない脂質摂取量とはいえ、2018年の国民健康栄養調査では、成人男性の35% 成人女性の40%の人が、脂質エネルギー比率の目標量20%以上30%未満を超えており、少ないとは言えない脂質摂取量であることが分かります。年次推移からも日本人(20歳以上)の脂質摂取量が徐々に増加していることが確認できています。

Ⅳ.トランス脂肪酸の上限摂取量
健康の保持増進の点から、トランス脂肪酸は、食品から摂取する必要はないと考えられており、厚生労働省はトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギーの1%相当より少なくすること、1%相当より少ない場合でも、更に出来るだけ少なくすることが望ましいとしました。

トランス脂肪酸表

















出典:製パンメーカーWebサイㇳ/農林水産省Webサイㇳ
上記の含有量は、原材料や一個当たりの重量が変われば、変動のあるものです。目安として捉えて頂きたいと思います。
トランス脂肪酸は、栄養表示の義務がないため、商品には記載されていないことが多いですが、一部製パンメーカーのホームページを見ると、含有量の記載がありました。又、農林水産省のウェブサイトでは、食品・市販食品に含まれるトランス脂肪酸の含有実態を調査し続けております。よろしければ参考にご覧になってください。
また、トランス脂肪酸の提言に自主的に努力している食品関連企業も増えており、「トランス脂肪酸ゼロ」のマーガリンなども販売されていますので、パッケージの表示にも注目して選ぶといいですね。
商品の栄養表示としては【脂質】は記載義務があります。日本人の食生活が脂質量過多傾向にあるため、『脂質』も商品を購入する際に確認することで、摂りすぎを防いでいくこともお勧めします.

栄養成分表示の図















出典:消費者庁webサイト

ページトップへ